秘書は見た!

「秘書は見た!」

いいねの数 2

秘書は見た!

国会は小幅延長で終わり、通常であれば静かな閉会期間がやってくるはずだった。

小選挙区時代、議員は地元にお帰りいただき、会館事務所としてその間の日程(7月~9月)は基本、地元事務所に引き渡すのが習わしだった。
地元秘書はあの「地獄の盆踊り巡り」を始め、汗を流して対応に追われる。夏の間、会館秘書はつかの間の「マイペースで仕事ができる」時間を得る(決して休息ではない)。
要は、たまった仕事を議員のいぬまにやってしまおう、ということだ。ため込んでいた依頼とか、会計仕事だとか、普段できない調査ものとか、システムの整備とか・・・。

ところが、このところどうも勝手が違う。ずっと議員周りのことに追われている。
最大の原因は、辻元が「全国比例」になったことだ。当然、今まで以上に全国各地を飛び回ることになり、その日程調整やら内容の整理やらを、延々と処理し続けなくてはいけなくなる。
もちろん、毎年の定期日程というのはこれまでもあった。組合や団体の総会は一定期間に集中するため、それをハシゴするのは常である。ただ、今年はそこに党日程(三党協議関係とか・・・)や講演会などが重なった。だから、移動経路がえらく複雑になってしまったのだ。
例えばこんな感じ。
8月24日(月)大阪→浜松→大阪
8月25日(火)大阪→宮崎→東京→大阪
8月26日(水)大阪→兵庫(といっても日本海側)→広島→大阪
8月27日(木)大阪→秋田→大阪
8月28日(金)大阪→東京
8月29日(土)東京→鳥取→大阪
そして翌日から沖縄へ。
そこに、昨今の災害級の異常気象が心配事としてからんでくる。秋田では飛行機が飛ぶかどうか不安だったが、なんとか飛び立った。とはいえ直後から線状降水帯の予測が出て、送り出してくれた人たちの無事が気がかりで仕方ない。
石川・富山も記録的な大雨が降り、孤立している集落も多い。お世話になっている方々の顔が浮かぶ。

一方で、地方日程は追加されていく。主に辻元のやる気のせいである。
たいていは「せっかく遠くにいくんだからさ(空き時間がもったいない)」と始まる。実はほとんどの地域がタッチアンドゴーで次に移動(地元の料理をひとつも食べられないことも多い。以前青森にいったときも、電車に飛び込む前に青森駅の売店で天ぷらを購入、車内でぱくつけたのはラッキーな方だ)となるが、たまに数時間の「余白」が生まれることがある。
そうすると、行く先々の友人知人に連絡をとって小さな茶話会を開いてもらったり、自分では運転できないから車を出してもらってぐるぐる挨拶回りをしたり(私だったらその時間をつかって地元の日帰り温泉にいくな)。筋金入りのワーカーホリックというか、だから何十年も国会議員でいられるというか。

そういえば去年の7月末、辻元と熊本に行ったとき、昼に会合を終えて、さあ東京へ帰ろうとしたら、辻元が
「そういえばさ、熊本城って行ったことないんだよね」
と言い出した(私には「行ったことある?」とは聞かない)。嫌な予感がした。
「晴れてて、見晴らしよさそう」
そりゃ晴れてますよ。だから36度の猛暑日ってニュースも流れてたし。すでにこの暑さ尋常じゃないのわかりますよね。冷房の効いたこの会場を出たら・・・と私が苦言を呈する前に、辻元はスーツケースをガラガラ引いて炎天下を歩き出した。
そうだった。この人ピースボートつくった人だった。とにかく知らない土地にいくと、まず自分の目で現場を確かめないと気が済まないタチなのだ。加えて強度の観光オタクである。

熊本城に行ったことのある方はもちろん、行ったことのない方も想像がつくと思うが、一般にお城の敷地内は直射日光を遮る場所が少ない。しかも13時前で太陽はほぼ真上におり、あの日の熊本城は体感温度40度超だったと記憶する。
私があわてて議員のスーツケースを持とうとすると
「重くないよ」
と気の早い辻元はスイスイ行ってしまう。熱中症が怖いので、「けっこう距離があるんです! 10分後にシャトルバスが出ます!」と、なんとか公共交通を使ってもらう。

まあこんな感じで城巡りをして、施設の職員さんが「辻元さんですか!?」と喜んで案内してくれて、ツーショットを撮りまくり、その後ようやくランチタイム終了ギリギリに近くの店に飛び込んでダッシュで馬刺しを食べ、しかも「せっかく九州にきたんだし」「『資さんうどん』は来るけど、こっちは初めて」と下通の『ウエスト』でごぼ天うどんを注文し、さらに地下のパーラーでケーキまで食べた。
「どれも美味しいね」
誤解のないようにいっておくが、辻元は大食漢ではない(師匠の土井たか子先生は食べる量も「超弩級」だったが)。めちゃめちゃ体力がある方でもない。ただ、人並み外れた好奇心(及びうどん愛)や「もったいない」精神が、知らぬ間に身体強化の魔法をかけているのではないか。遊びについてもストイックなのだ。

その熊本だが、タクシーの運転手さんが城の石垣をさして「ほら、まだまだ復旧が追いついていないんだよ」と説明してくれたのを思い出す。しかし、再び熊本城の石垣は激しいダメージを受けた。
そしていまこの瞬間もあの危険な暑さのなか、先の見えない避難所暮らしや車中泊を続ける方々がいる。

2016年の熊本地震のときに、辻元は民進党(当時)の役員室長として、枝野幸男幹事長(当時)や松野頼久衆議院議員らと被災現場を視察した。
https://www.minshin.or.jp/article/108986

実は当時の熊本地震の発災後、辻元は河野太郎防災担当大臣(当時)と大臣室で会っている。
それは、熊本の惨状を見て、「とにかく人材を投入せねば」と災害対応のNGOを河野大臣に紹介し、連携を強化するためだ。当時、自民党政権の災害対応にはその発想が欠けていた。

辻元が災害ボランティア担当の総理補佐官として、仲間と共に災害支援NGOの民間全国ネットワークづくりに取り組んだのは、2011年の東日本大震災のときだ。
これは、1995年の阪神淡路大震災のときに、神戸の長田区でボランティアコーディネーターとして現場で活動し、大型客船で物資を運ぶ陣頭指揮をとり、そのときの経験から「NPO法」「被災者生活再建支援法」など、その後の日本社会を大きく変える法案を、一年生議員として異例の議員立法で成し遂げた辻元だからできたことだと思う。当時の仲間たちがいまもNGOの最前線で活動している、というのも大きかった。
また辻元は、東日本大震災のときにNGOと行政、自衛隊との異色のコラボ会議を創設した。課題解決のための「場」だ。だから、毛色の違うもの同士がいかに力を合わせられるか、そこに災害対応の活路があるということも、辻元はよくわかっていた。

2016年の熊本地震に戻ろう。
国会の廊下を歩きながら旧知の河野大臣に連絡をとり、「災害対応のNGOを紹介するよ」と伝えると、河野大臣も「ありがたい」とのこと。すぐに辻元は、もう被災地入りしているNGOからメンバーを呼んで、大臣室で緊急ミーティングを行った。国会で政権とバチバチやりあっている野党の幹部が、内閣府の大臣室で、である(ちなみにこの頃辻元は、強行採決から半年たった安保法制の廃案をめざすとともに、辺野古の埋め立て・関連工事の全停止を求め、中谷防衛大臣を安保委員会で詰めていた)。

これまでの経験に基づくノウハウや注意点を、NGOメンバーに確認しながらひとつひとつ伝える辻元に、「うん、うん」とうなずき、メモを取る河野大臣。
もてる自分のネットワークをすべて手渡そうとする辻元も、必要なものは何でも受け取って活かそうとする河野大臣も、「これが政治家だ」と思わせるものがあった。災害対応に与党も野党もない。
https://www.kiyomi.gr.jp/blog/7831/

・・・気づくと、災害の話になってしまう。このお盆には千葉を襲った豪雨で亡くなられた方もいた。鉄道やバス、タクシーなどの交通インフラも大きな被害を受け、情報収集に奔走した。
車両や営業所などの物的被害はもちろん、「連絡なく出勤されなかった方はいないか」など、働く方々の安否状況を聞き取ることも、お盆のさなかの災害ということもあり、通常のようにはいかなかった。

聞き取りのなかで複数のタクシー関係者に言われたこと。
・車体が水につかった場合、エンジンをかけず、そのまま修理に回すこと。あせって「かかるかな?」とやってしまう人が多いのだが、それをやると一発アウト(確かにスマホでも、水にポチャしたら電源を切って、乾かすまで充電したりしないのが鉄則)。
・タクシー車両は、44センチ程度の浸水で乗客席のマットが水につかる。するとあっという間にカビが出て、営業車としては使い物にならなくなることが多い(「その車両どうするのですか?」と聞くと、部品交換用にするのだとのこと)。

車に乗る方にはよく知られていることかもしれないのだが、事業者にとっては本当に辛い。

気がかりなのは今後の復旧だ。
バスはもちろん、タクシーなども相当の車両被害が出た。
交通サービスのことだけを考えれば、普段は営業区域が決まっている他地域のタクシーについて、国交省が特例的な運行を認めて空白地をなくす、という方法はある。しかしそれでは、ただでさえダメージを受けた被災地域の事業者が、ますます厳しい状況に置かれてしまうリスクがある。
東日本大震災のときは、他地域からの「車両提供」などで被災地の公共交通(事業者を助ける意味でも)を守った経緯もある。そうした解決策があればいいのだが、これも一筋縄ではいかない。
また、線路などと違い、車両への国の補助は使える制度が限られ、民間保険も契約内容によっては十分にカバーできない。災害のたびに公共交通が細っていく現状をどうすればいいか・・・。

また、千葉の豪雨災害では、報道機関の調査に寄せられた被害報告の半数超が、ハザードマップの「想定区域外」からだった。1時間100mmを超える豪雨が、下水道の排水能力を上回ったのだ。
実は先の国会で、辻元は国土交通委員長として、国交委員会で下水道に関する法整備を行った。老朽化した下水道の更新こそ生活インフラにおける最重要課題という認識で、委員会は一致した。
しかし、「都市の排水能力」については、限られた時間とはいえ、議論が深まったとはとてもいえない。

あらためて、災害対応には与野党を超えた協力が必要なのは間違いない。
辻元が全国各地にいくのをプランニングしながら、さまざまなリスクから暮らしを守るために、いまこの瞬間に何をすべきか、ずっと頭を悩ませている。

  • 秘書は見た!

  • Warning: Invalid argument supplied for foreach() in /home/users/2/cdp-sonorite/web/tsujimotokiyomi-supporter.net/wp-content/themes/tsujimotokiyomi-supporter/single-post.php on line 63

コメント

CAPTCHA


※送信されたコメントは削除できません。
削除を希望する方は、info@tsujimotokiyomi-supporter.netまでお問い合わせください。
※不適切なコメントは運営側の判断で削除されることがあります。