秘書は見た!

「秘書は見た!」

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緊迫するイラン情勢。迫る日米首脳会談。
この3月、日本が戦争に巻き込まれかねない状況に、永田町はもちろん日本中が緊張の日々を送った。

国土交通委員長である辻元は、委員会で質問に立てない。
そこで、またまた質問主意書を使って政府に釘を刺そうとなった。

この間、イラン情勢を巡っては、国会の質疑でもメディアの報道でも、大きく欠けていた視点があった。
それは、アメリカとイスラエルの攻撃が「国際法違反」と評価される場合、そもそも日本は存立危機事態を認定できない=集団的自衛権を行使できない、という点である。

「国際法を遵守していない国を支援することはあり得ません」(岸田外務大臣、平成27年3月26日、参議院外交防衛委員会)

日本政府は「違法とも合法とも評価していない」という立場だったが、アメリカの行為が「国際法上違法か合法か」を日本政府が評価しない以上、日本がアメリカから限定的な集団的自衛権行使の要請を受けたとしても、日本は存立危機事態に当たるかどうかについてそもそも判断できないのだ。

こうした政府の立場を、いまも日本政府が維持しているかを問う質問主意書を出そうとなった。
重要なのは、日本時間の3/20(金)未明に行われる日米首脳会談までに、主意書に対する答弁書を閣議決定させなくては、ということだ。
※質問主意書とは?
https://www.sangiin.go.jp/japanese/aramashi/keyword/situmon.html

なお、質問主意書作成から答弁書に至るまでの、通常の行程はこうだ。

<質問主意書~答弁書ができるまで>
質問主意書の案をつくる。
辻元のアイデアを形にするにあたり、いろんな専門家の力を借りることもある。
参議院の調査室、国会図書館など国会の調査機関や、研究者やジャーナリスト、市民団体の方々などにお願いして、事実関係をチェックしてもらったり、意見を聞いたりしてブラッシュアップしていく。この辺は時間とのたたかい。

参議院の担当部署(議案課)にチェックを要請する。受付は17時まで。
参議院では、議案課に案を渡してから参議院議長に「提出」するまで3営業日を要する。
主意書の形式として適切か、政府答弁の引用などの事実関係に間違いがないか、などのチェックが行われるためで、会期末などで混み合うときはもっとかかることも。なので、早めに出さないと政治的タイミングを逃がしかねない。

③主意書は議長に「提出」後、議長承認を得るのに中2~3日が必要。承認を受けると内閣へ「転送」される。そこから内閣は7日以内に答弁書を作成するのだが、
「各省庁で案文作成→内閣法制局で審査→閣議決定(閣議は基本、毎週火・金の午前10時か9時に開催)→参議院議長に提出」
となる。

さて今回提出した質問主意書(「ホルムズ海峡を巡る情勢と存立危機事態の関係に関する質問主意書」)だが、あらためて振り返ると、実に綱渡りの日程だったことがわかる。冷や汗が出る思いだ。
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/221/meisai/m221009.htm

<今回のヒヤヒヤ行程>
●3/2(月)
辻元が「存立危機事態について政府答弁をとろう」と言い出す。カレンダーから逆算すると、3/3(火)に出せば3/17(火)朝に答弁書が閣議決定される予定だ。これなら日米首脳会談(日本時間3/20(金)00:15~)に間に合う、と計算が立った。

●3/3(火)
上記「国際法を守らない国は支援しない」という岸田外相(当時)の国会答弁を軸に、突貫作業で主意書案を作成、この日の夕方ぎりぎりに議案課に渡すことができた。3/6(金)の議長提出に向けてチェックを待つ。

●3/5(木)
主意書を読み解くのは技術がいる。なので主意書の解説をしながら、「明日主意書を出します!」とSNSで告知。またまた長文だが、ネット上でも「長いけど大事だから読んで」という引用リポストが多く、拡散されていく(ほんと、いつも長くてすみません)。


辻元がこの論点を指摘したことは、ネット上でも大きな話題となった。メディアも読んでいるらしく、その後多くの報道でこの視点が必ず入るようになった。

とくに「国際法は、現実の国際政治の中で必ずしも守られないこともある。 しかし『現実がそうだから』と違法行為を正当化すれば、国際秩序そのものが揺らぐ。 国際法は完璧ではない。しかし、多くの戦争の犠牲の上で国際社会が築いてきた『叡智』なのだ。」という指摘は共感をよんだ。

●3/6(金)
議案課によるチェック終了。ではこれでOK出して提出しようかと思ったところ、なんと安倍総理(当時)の国会答弁を発見してしまった。
「我が国が自衛権を発動してそのような国を支援することはないわけであります」

実は秘書の間で、「これ、安倍さんまで同じこと言ってたら強いよね」なんて話をしており、念のため調べていたらヒットした、というのが内幕だ。

今回の質問主意書では、絶対によい答弁を引き出さなくてはならない。答弁書は全閣僚がサインして閣議決定されるから、委員会での政府答弁以上に重いと言えるのだ。
一対一の委員会質疑と違って、まともに答えが返ってこないことも多い。それだけに、しっかりと根拠や論理を固めて聞かないと、逃げられてしまう。
だからこそ、安倍総理の答弁が「使える」のは重要だ、と感じた。さすがの高市総理も「師」である安倍総理の答弁を簡単に否定することはできないはず。そこで、急きょ主意書案を修正することに。

ところが、思ったよりも修正に時間がかかり、締め切り時間の17時が迫ってきた。この日受け付けてもらえないと、3/17(火)の閣議に答弁書が提出されない。その次の閣議は日米首脳会談後になってしまうのでは!?
焦ったが、議案課に確認すると本来3/20(金)朝となるはずの閣議が、この日は祝日のため3/19(木)に繰り上げ開催されるとのこと。なんとか、日米首脳会談前に答弁書を出させることができそうだ。
https://www.kantei.go.jp/jp/kakugi/2026/kakugi-2026031901.html

●3/9(月)
修正した主意書案を議長に提出。なお、辻元がXで指摘した「安倍総理答弁」の動画を探し出し、編集して投稿してくれた方がいた。それをまたXで紹介したところ、すごい再生回数に。よき動画の訴求力はすごい!

この間、辻元は報道番組に出演したが、この質問主意書と答弁書に対するメディアの関心は強くなっており、番組でも議論の柱になった。
さらに「重要影響事態」の場合についても、同様の国会答弁を発見。Xで解説した。「法律には『要件』と『効果』がある」として、①重要影響事態②存立危機事態③武力攻撃事態 の違いを解説。

●3/19(木)
高市総理がアメリカに向かって移動中の朝、答弁書が閣議決定された。
「自衛隊は国際法上違法な行為に対する支援を行わないことは当然。」
「何ら武力攻撃が発生していないにもかかわらず、ある国家が自衛権を援用して武力を行使することは、国際法上合法とはいえない。」

こちらの想定よりはやや弱いが、それでも日米首脳会談の15時間前に、この答弁が出されたことは大きい。Xで報告したところ、かなりの反響があった。
再生回数も45万と多いが、「リポスト」「引用リポスト」の比率が、他の注目ポストと比べてかなり多い。それも、「辻元さんありがとう」「このタイミング、グッジョブ」「国民の声が届いた」などのうれしいコメントで埋め尽くされた。

間に合った。予断は許さないが、最低限の釘はさせたと思う。
※なお、3/19(木)にさらに二つの質問主意書を提出中。答弁書の閣議決定は3/31(火)です。お楽しみに!
「ホルムズ海峡を巡る情勢と重要影響事態の関係に関する質問主意書」

「ホルムズ海峡を巡る情勢と国際法との関係等に関する質問主意書」

さて国内に目を向けると、衆議院でのあまりに乱暴な予算委員会運営。予算案は異例の短さで衆議院を通過した。
参議院の日程も過去にないパターンで、先輩秘書に聞いても「先が読めないなー」と首をかしげられる状況だ。議員日程を組みづらいことこの上ない。

しかし、参議院は与野党逆転の状態だ。衆議院のように、数の力で押し切ることはできない。

財務金融委員会は野党の人数の方が多いし、国土交通委員会や総務委員会など野党が委員長職をとっている委員会もある(国交は辻元、総務は吉川沙織議員など)。税制関連など、3月31日までに成立させないと国民生活に影響のある法案(いわゆる「日切れ法案」)を抱える委員会もあり、衆議院のように乱暴なやり方をして審議が不正常になり、もしも日切れ法案が年度内に成立しないなんてことになれば、これこそ与党の責任だ。政府としてもそれは大変困る。

民主主義を守れるかどうかの瀬戸際にあって、参議院の重要性が増している。
そして立憲民主党を中心に野党が毅然として対応した結果、高市政権に事実上、予算の年度内成立をあきらめさせ、11年ぶりとなる「つなぎ予算」の編成を認めさせることができた。

それにしても政府いわく、「不測の事態に備える」(木原官房長官)。
いや不測どころか、日本中の人が予測し心配していたではないか。こんな時期に解散総選挙をしたら年度内の予算成立は間に合わないのでは、と。
政府与党にとっても、高市総理の行動こそ予測不能ということか。

引き続き国会での議論に注目していただきたい。

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